営業マン兼トレーナーのブログ

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野球の指導者が絶対に教えてはいけない5つのこと

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今回は野球指導者の間違った指導方法について記事にします。

 

ただキツイことだけをやらせていませんか?

意味のあることをしっかり教えていますか?

 

そんなことも交えながらよくある間違った指導方法を解決していきます。

 

 

 

 

コンパクトなスイング

はい、まず1つ目です。

 

私が小学生の頃は最短距離で振れ、コンパクトに振れ、と教えられてきました。

 

実際に、肩口からボールまでをコンパクトに振り抜いたところで、ボールは全く飛びません。

 

昔は今の時代のようにYouTube等でプロの映像が見られるわけでもなく、雑誌や本を頼りに野球の練習をしていたと思います。

 

当時の本にそのようなことがたくさん書いてあった記憶があります。

 

しかし、現実は全く異なります。

 

元プロの落合博満選手をご存知でしょうか。

 

非凡な才能や努力の結果、三度の三冠王を獲得している往年の名選手です。

 

振り出し(トップ)の位置をぜひ一度見てください。

 

いわゆるコンパクトのスイングの場合は、頭の横にトップがくるのですが、落合選手の場合、キャッチャー寄りの身体から離れた位置にあります。

 

これについては自身がテレビ出演された際に説明していました。

 

「例えばビンタするときに最短距離で殴らないだろう?」

 

「振りかぶり、なるべく身体から遠ざけて加速させてからビンタするだろう?」

 

野球もこれと同じでバットの力を最大限に利用しようとした場合、なるべく身体から遠ざけた方が力を発揮できます。

 

そのためトップの位置は個人差があるので全てに当てはまるわけではありませんが、なるべく深い方が飛距離は生まれやすいです。

 

またその際、最初から深い位置に置いておくのではなく、最初は顔の前や耳元に置いておきます。

 

そして、ステップした際に下半身はピッチャー側へ、トップはそのまま後ろに置いてくるイメージで振ると、反動も使えるのでさらに飛距離が生まれます。

 

これを「割れ」と言います。

 

上半身は後ろに残す、下半身は前に動く、そのことから「割れ」と呼ばれています。

 

「割れ」ができることで、強い打球が打てるだけでなく、変化球に対しても、上半身が後ろに残っているため、対応できる可能性が高くなります。

 

なお変化球の場合、ステップした足の膝を曲げて前に突っ込むのを耐えられれば、読売ジャイアンツの坂本勇人選手のように、変化球を前で捉えてホームランということも可能になります。

 

正確に言うと、前に突っ込んではいるのですが、膝を曲げて身体が前に流れることを防いでおり、上半身に残ったパワーをしっかりボールに伝えられている、と言うことになります。

 

少し脱線しましたが、コンパクトなスイングが非合理的であることはこれで理解できたかと思います。

 

また、スイングに関してとても面白いブログがありましたのでぜひ読んでください。

背丈も大きくなく、ケガ持ちの選手でしたが、強豪校でHRを量産していた方の打撃理論です。

baseballmasato.hatenablog.com

 

その中でも特に印象が残ったのがこの図です。

 

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どちらが早く転がることができるか、ということを証明する図ですが、Bの方が速いスピードでゴールに到達するのです。

 

野球のスイングの軌道に当てはめるとどちらが正しいかはすぐわかりますよね。 

 

 

 

 

とにかく声を出させる

 これも無駄だと思います。

 

と言うのも声を出すことで、何が脅威になるか考えたことはありますでしょうか?

 

声を出すチームは何か嫌だなぁ・・・と思っている人も多いと思います。

 

それは何故なのか解説していきます。

 

実際に声を出すことで、相手を圧倒できる可能性が高くなる。

相手は黙ってしまう。

積極的なプレーができなくなる。

結果として良いプレーが発生する確率が下がる。

点を取られたり、負けたりしてしまう。

 

このような連鎖が起きていると思います。

 

ただ、重要なのはただただ声を出せば言い訳ではありません。

 

煩いだけであれば、そこまで脅威に感じることは無いと思います。

 

というのもプレッシャーに慣れてしまうからです。

 

しかし、意味のある声がであればどうでしょうか?

 

「次のプレーはこういうこと考えて守ろう!」

「このバッターは前の打席こうだったから、注意して守ろう!」

「このランナーは返さないように、中継プレーはここまで投げて!」

 

等、次に起こるプレーの予測や、試合前半から考えられる予測などの声掛けをしていたら、非常に良いチームですよね。

 

また、相手からしてもよく見ているな・・・と作戦の変更も考えざるを得ない状況に陥る可能性もあります。

 

つまり、無駄な声を出すのではなく、意味のある声を出させるような指導をすれば、野球脳が成長していきます。

 

 

 

ミスしたことに対して怒鳴る

これが一番良く無いと思います。

 

「好きこそものの上手なれ」という言葉がある通り、上手になるためにはまずそのものを好きになる必要があります。

 

野球に関してももちろんその通りです。

 

まず好きにならないと上達しようという気持ちも起きませんよね。

 

好きになれ!という押しつけも絶対に成功しませんので、

まずは面白い、と思われるように成功体験を掴ませてあげましょう。

 

そうすれば、自分の中で上手くできた!面白い!と感じるようになります。

 

また、野球は3割打てば良いスポーツなので、ミスは当たり前に起きます。

 

その時にどう教えるかによって、成長するか否か決まります。

 

ミスをしても怒らない。

 

まずは理由を聞いてあげることが必要です。

 

どう考えてそのプレーをしたのか?

もしミスをしたのであれば、次はどう対処するのか?

 

もしミスの内容も筋が通っていればどんどんやらせてあげるべきです。

 

そうすることで、考えて野球をする選手が増えてきます。

 

考えて行動することで、自分のプレー1つ1つに対し、責任が生まれます。

 

考える→行動する→成功or失敗→振り返りをすることで、野球は格段に上手くなります。

 

これは野球だけでなく、社会生活においても非常に重要なことです。

 

PDCAサイクルと呼ばれるもので、詳細はリンクを確認ください。

www.e-sales.jp

 

 

正面でキャッチすること

少し技術的な話になりますが、どうしても知識の無い指導者は当たり障りのないことを言います。

 

上述した通り、コンパクトに振れ、もその1つですね。 

 

今回説明する正面でキャッチしなさいということも良くありません。

 

試合で正面の打球ばかりきますか?

 

前後左右色んな角度に打球は飛んできます。

 

つまり対応力を磨くためには色んなキャッチングをした方がより実践的になります。

 

もちろん足の運び方や送球までの入り方は基本的なことを教えてあげる必要がありますが、応用が効くキャッチングをした方がより上手くなります。

 

また、下記リンクの中で元メジャーリーガーの田口選手が語っていますが、メジャーで活躍するためにはバックハンド(逆シングル)が上手く無いと駄目だ、とコーチから言われたそうです。

 

理由として、逆シングルの方が投げるまでのスピードが速い、と言う点を挙げられていました。

 

考えると確かにそうですよね。

 

正面で捕球→送球体勢よりもバックハンド→送球体勢の方が投げるためのトップを作りやすいです。自分自身で確認してみてください。

news.livedoor.com

 

 

オーバーワーク

最後にこちらです。

 

まだまだ未来のある選手に対して、オーバーワークは厳禁です。

 

特に肩、肘は消耗品のため、積極的な休養を行いましょう。

 

参考例を記載します。

 

【参考例】

月曜日:休養日、インナーマッスル等

火曜日:下半身トレーニング、ノック、バッティング

水曜日:上半身トレーニング、ノック、バッティング

木曜日:ピッチング

金曜日: 全体練習、投内連携

土曜日:試合

日曜日:試合

 

 

毎日の投げ込み等は絶対に辞めましょう。

 

あえて期間を空けることで、その間に考える時間も生まれます。

 

次はどうしたら上手く投げられるか、どうにように実践するか等、野球脳のトレーニングにもなりますよね。

 

あくまで参考例のため、選手ひとりひとりに応じたメニューを考えてあげましょう。 

 

 

では最後にまとめます。

 

まとめ

・コンパクトなスイングはNG。なるべくボールまで距離を長く。

・無駄な声は出させない。

・選手を無闇に怒鳴らない。考えてプレーさせてやること。

・正面でキャッチングさせるように型にはめさせない。

・オーバーワークは避ける。未来を大切に。